ミーナの行進(小川洋子)
舞台は昭和40年代の芦屋。
従姉妹のミーナ、その家族と暮らした一年間の思い出…。
作品紹介
家庭の都合で、伯母の家に預けられることになった朋子。
そこで出会った不思議な少女『ミーナ』と、その家族との心の交流を温かく描いた作品。
この作品は、小さいものの輝きが美しく描かれているが、その中でも、ミーナがジュースの配達員に抱いた淡い恋心をめぐるやりとりが素敵である。ある日、突然来なくなった配達員。その謎を探るため、朋子は思い切って遠出する。そして、朋子がミーナを傷つけないよう、そっとついた小さな嘘…。
また、ストーリーはもちろん、表紙も含めたカラーの挿絵が美しい。
ささやかで平凡な日々の物語を通して、昭和時代の懐かしい世界にひたってみるのはいかがだろうか。
第42回谷崎潤一郎賞受賞作。